最近、スーパーのレジで私の前に並んでいた
おばあさんが、レジの若い男の子に
耳を指差しておられることがありました。
その指の先には補聴器があったのですが、
男の子も一瞬で事態を了解したらしく、
おばあさんに大きな声をかけて、
スムーズにお金の受け渡しをしていました。

この出来事を目にしながら、
補聴器を上手に使うには
補聴器を使っていることを
公言することが一番かもしれないと改めて思いました。

耳が遠くなっていることを、家族やヘルパーさんはもとより
友人や知人が知っていることには大きな意味があります。
聞き漏らしたり、聞き間違いからくる
とんでもない誤解を招く恐れを防ぐためだけではありません。

今まで、いろいろなお客様とお話しさせていただくなかで、
補聴器を使っていることを周りが知っている人と
なるだけ隠そうとする人では、
実は前者の方のほうが
日常を生活を楽しく過ごされているような印象があるのです。

おひとりお一人の性格にもよるでしょうが、
難聴とうつ病の関係について
明らかにされつつあることからも
「聞こえ具合」がご自身の内面にも
大きな影響を与えることが見て取れます。

補聴器を使ってどのくらい聞きやすくなっているのか、
わかることはご本人にとって自信につながります。
きちんとしたお店なら、
補聴器をつけた効果がどの程度か測定してもらえますが、
聞こえは目に見えないものなので、
普段の生活でどれくらい聞こえているのか
ご自身で判断することはなかなか難しいことです。

けれども、もし周りのみんなが
補聴器を使い始めたことを知っていたら
「聞こえるようになったね」とか
声をかけてくれるようになります。

嫌がって補聴器をつけたがらない人と
「まあいっか」と思って補聴器を使う人では
同じように聞こえるようになっても
「こんなに聞こえるようになった」か
「これだけしか聞こえていない」といった
感じ方で随分効果も違います。
そう考えると、補聴器と心理的な面の関係について
見逃すことは出来ないと思います。