お客様のなかには、
「両耳で80万円もする補聴器を
他のお店で勧められた」といって
私のお店にやって来られることがあります。

補聴器は値段の幅が広い商品です。
大まかには一つ(片耳)4万円台から50万円近いものまでさまざまです。
そういった知識がない状態でお店へ行って
いきなり、「はい80万円です」と云われると、
椅子から80センチ飛び上がりそうになると思います。

現役でバリバリお仕事をなさっている方ですと、
聞こえをより快適にするために
補聴器は機能が備わっているほうが仕事も捗るでしょう。
やはり、値段が高いモノには高い理由があります。

けれども、普段はお家からあまり外に出ることもなく、
家族とも同居されていない方の場合ですと、
そこまでの商品は必要ありません。

私はお客様の生活の様子やご予算をよくお聞きしたうえで、
機能面や価格の違いについてよくご説明申し上げて
納得いただけるような補聴器をお勧めしたいと思っています。

そんなこんなで、その80万円と云われて
私のお店にやって来られた方の場合、
「これがいいと思います」と
私がご提案した補聴器は
価格が随分とディスカウントされて
ご家族で顔を見合わせておられることになりました。

私は「商売人としては失格だなあ」と内心苦笑しつつ、
人が知らないモノを教えるのにやりがいを感じているのだから、
モノを教えることから抜け出すことは出来なくて、
教育者の面があるのかもしれない、と
自分に言い聞かせたのでした。