補聴器は両耳で装用していただくことが基本になります。
これは別に販売店の
商売の論理だけで謳っている文句ではありません。

たとえば、手を骨折すると治るまでの日常生活は、
もう片方の手で行う必要があり、負担が大きくなります。
それと同じことが、耳にもいえるのです。

手や足や目や耳といったように、
人間の体は一つの機能を果たすのに、
二つで行っている部分がたくさんあります。

事故や突発性といったことが原因でなければ、
大抵の場合、片方の耳が聞こえにくくなっていれば、
多少なりとももう片方も聞こえにくくなっています。
ですので、一般的には
左右どちらにも補聴器を使うほうが、理屈にかなっています。

補聴器を両耳にすると
どこから音が聞こえてくるかといった方向感であったり、
距離感もつかみやすくなります。
また片耳だけでつけておられるよりも
ボリュームを抑えてお使いいただけます。

弁護士商売が繁盛しているアメリカでは
補聴器を一つだけしか売らなかったお店が、
「どうして、両耳での装用効果をお話しして
両耳を勧めなかったんだ?」
とお客さんから訴えられた例がありますが、
このことからも、補聴器には、
きわめて医療的な面が強いということを感じさせられます。

ただし、左右の耳で聴力に差がある場合であったり、
ご本人が両耳での聞こえ具合を実際に試されることで、
片耳のほうがいいということであれば、
無理強いして両耳にしていただく必要はありません。