現代の日本人は科学技術の恩恵を受けて、
聞こえにくい時は補聴器を使うか使わないか
自分で選択することができます。

しかし、最近も政治家で
難聴を原因として政界を引退する人もいたように、
権力の座にある人は
聞き取りにくい場面が重なると
情報を収集するうえで困難が生じるようになります。
そのため、聞こえは
一般の人よりもより
切実な問題だといえます。

つまり、「知らない」ことが増えていくと、
物事を決定するための判断材料を
十分に得られないばかりか、
政治家にとって
一番大切な周囲に対する威厳や
周囲からの尊敬の念までもが
損なわれるからです。

さて、昔は今、お店で売られているような
耳にはめ込むような補聴器はありませんでした。
それに代わるものとして、
なんと、椅子が
補聴器の役割を果たしていた時代もありました。

ポルトガルの王様のためにつくられた
この椅子型の補聴器は
肘掛けの部分がライオンの顔になっています。
そして、寵臣や召使いが
そのライオンが開けている口から話しかけると、
その中で音が大きくなります。
そして、その椅子の中で大きくされた音を
王様は背もたれにある
聴診器のようなもので聴いていたそうです。

8年ほど使われていたということですから、
これは実用的だったのでしょうね。
椅子ですから王様が移動する時には、
持ち運べばいいことだし、
王様の前で皆が膝をついて話すことは
不思議でもないし、
王様の体面も保てて、
万事よしといったところだったのでしょうか。

この補聴器を使うことで、王様は
裸の王様になることを未然に防いだということですね。