加齢性難聴では
伝音難聴よりも感音難聴の場合が多くみられます。
この感音難聴では、
まだ機能の働いている部分が
もっと聞こえるようになろうと精を出すために
聴覚が過敏な状態になります。

これは補充現象と呼ばれますが、
難聴の方に
大きな声で話しかけても
「音が割れて聞こえる」といった感想が
返ってくるのはそのためです。
聴力の低下もさることながら、
音を受け取る蝸牛機能の低下により
快適に聞こえる音の範囲が
限られたものになっているのです。

身の回りで
聞こえにくくなっている方に対しては
声を大きくするのではなく、
ゆっくりと言葉を区切って
話しかけることが大切です。

家族同士だと、
親御さんが聞こえない状態に対して
戸惑いや苛立ちから
どうしても大きな声になりがちです。
しかし、興奮して一気に話そうとすると、
難聴の方は、
集中して聞き取ろうとしても、
言葉が部分的にしか聞こえないことも多く、
心理的にも大変苦労されます。

実は、感音難聴で初めて補聴器を耳にした方は
「音は聞こえるけれど、内容がはっきりしない」
という方が多いです。
またなかには、
補聴器を使うのが初めての場合、
期待値が高くて、
つければすぐに何でも聞こえると
考えておられる方もおられます。
そういった場合は、
「アレッ?思ったほどではないな」ということになりますが、
少しでも補聴器で聞こえるようになれば
今までよりも良い聞こえ方になっているので、
そこで諦めるのは少し早いように思います。
また、そんな時でもご本人よりも周囲の方が
補聴器の効果を感じておられることも
少なくありません。

補聴器を使っていると
数か月後に、
聞き取りがアップする例も報告されていますし、
補聴器の効果は
短期間でのレンタルですぐに結論を出すのではなく、
ある程度、腰を据えて使っていただいてからとなることもあります。